Webセミナーでの質問に対するご回答一覧 2023.8.3

質問へのご回答

プリファレンス

■ 採取プリファレンスの設定を50からあまり変えないと話されていました。私の施設で採取する時は25~20ぐらいまで落としており、それで採取血液のHct 値が2~3%になるのですが、何が違うのでしょうか?

・千葉大ご質問者の方が仰るように、OptiaのCMNCモードでは、採取プリファレンスと採取ポンプ流量が自動計算されないため、採取プリファレンス(50)と採取ポンプ流量(1mL/min)の初期値が患者にとって最適かどうかをオペレーターが確認する必要があります。 千葉大でもOptiaになってから、色味が薄いと感じることはあるのですが、濃くした時にも採取細胞数に大きな変化は見られませんでした。テルモBCTからは、患者さんの状況により、赤血球を多くとっても単核球を確保したい場合には、濃いめのHctで、赤血球を取られたくない場合には薄目で、との説明を受けております。

採取前に輸血(特にPC)を行った場合、採取直前の血算データで採取開始した際、長時間かけてもインターフェイスが形成できない場合があります。このような場合に変更すべき項目はありますか?

・東邦大採取当日に輸血を実施した症例がありません。採取時にも血算の採血をしているので、起床時のデータと解離していたら変更しています。
・千葉大採取前にPCを輸血した場合、との事ですが、インターフェイス形成に時間がかかる事との直接の因果関係はないと、テルモBCTより伺っております。アラーム、採血流量、凝集等の関係ではないでしょうか。
Optiaは入力値で採取条件(この場合血漿ポンプ速度)を決めていますので、あらかじめ(開始前、データ入力時)、あるいは長時間インターフェイスが形成できないアラームがなった時には、Hctを3%下げ、様子を見るしかないと考えております。
アラームが出ていないのにHctを変更すると、システムがもう一度インタフェイスの形成をやり直すことになってしまい、最適な状態ではくなり、余計にインターフェイスの形成に時間がかかる可能性があるそうです。
この間はプリファレンスの変更は有効ではないので気を付けて下さい。

allo(同種)での採取時に、WBCが多いためチューブの色での判断が難しい場合があると思ういますが、どのように対応していますか?

・千葉大WBCが多すぎても、採取プリファレンスが適切であればオペレーターは、その色が薄いか濃いかを判断するだけです。また、WBCが異常に多く、バフィーコートが厚すぎる場合には、採取ポンプの流量を上げ、フィラー内にWBCが蓄積しすぎないようにする必要がある場合もあります。これについては、テルモBCTに詳細を聞いてみてください。
AIMがインターフェイスを適切に判断できない場合には、システムライトのカバー等、AIMに関連する部品が汚れている場合もあります。ライト、開口プレートの清掃をしてみてください。

ルート/アクセス

CVカテーテルをアクセスとする事はありますか?

・東邦大殆どの症例で、鼠径部のカテーテルより採取しています。
・千葉大千葉大でもFDLカテーテルを使用しています。遠心分離アフェレーシスは採血流量が少ないため、大人用の短め、細めのものを使用しています。
第一選択は自己血管のため、今回は自己血管の穿刺をご紹介いたしました。

■ 送脱血に使用する血管やカテーテルの選択はどのように決定していますか?

・東邦大医師の判断です。
・千葉大千葉大では、採取の一週間から一か月前に採取前外来と称し、採取及び治療の適応とインフォームドコンセント、オリエンテーションなどを行っております。
その際に、医師と採取担当看護師が必ずラインの確認をし、自己血管が難しそうな方の場合には、前日までにカテーテルを内頚に挿入し、当日に臨みます。 自己血管が大丈夫だと思っていた方が、当日、意外と血管が張らず、穿刺が出来なかった場合には、JMDPの規定同様、鼠径からのカテーテル挿入となります。

成分採血に際する穿刺・抜針(又はCVへの接続)、採取中のオペレーションについて、どのような職種が施行しているかご教示ください。また、その他、検査技師のアフェレシスへの関わり方についてもお教えいただければと思います。

・東邦大穿刺・抜針:医師
オペレーション:検査技師
バイタル測定:看護師
採取細胞処理・保管:検査技師
・千葉大医師と看護師が交代で穿刺をしています。CVへの接続は全て看護師が行っています。
臨床検査技師はプライミングのみタスクをシフト中で、採取中のオペレーションはすべて医師と看護師です。

先程の動画で採血、返血ラインに三活がありましたが、特に返血部分への三活装着にに安全性の面で不安を覚えるのですが、トラブル等経験ありますでしょうか?

・千葉大3三方活栓部でのトラブルは今まで経験がありません。三活を使用していなかった時代に、クランプキャスに不慣れな看護師が血管を押さえ切れず、出血をした事例はありました。この経験から、当院では三活を使用するようになりました。
三活の使用に関しては、質問者様が仰るように、外れ、汚染、凝血塊形成の恐れがあります。返血側はカルチコール持続中のために、当院では必ず使用いたしますが、皆様が使用している穿刺針に慣れている環境であれば不要かと思います。逆に、千葉大では看護師がオペレーションをしているため、三活になれているのかもしれません。

タスクシフトへの貴施設の考え、研修進捗状況、今後の予定などあれば教えてください。

・東邦大現状の業務分担(医師:穿刺・抜針、看護師:ケア、技師:装置の操作)で採取を行うことを考えています。採取担当技師は、タスクシフトの研修を受講済みまたは申し込み済みです。

採取中の手技

治療中の圧モニタリングは定時確認で経時的に確認されていますか? 記録表などへの記載内容やアクセスの違いによる安全な圧管理のポイントなどがあれば教えてください。

・千葉大患者さんや機器がある程度見える状態で常に観察をしておりますので、圧のみを定時確認しているということはありませんが、常に確認をしております。 機器の経過は手書きしておらず、Optiaのデータを採取毎に患者の電子カルテに保存しています。

順調に採取が進んでいたのに突然脱血不良になることがあります。その場合に最適な対応はありますか?

・東邦大1) 体位変換
2) 脱血と送血のルート交換
3)新たな血管の確保
・千葉大原因検索しかないと思っています。 これまでの原因は下記です。
・回路内の微小血栓が針先につまった、あるいはフィブリンが針先に付着した
・患者さんが上を曲げた時に、留置針自体が屈曲した
・カテーテルが血管壁を吸った
・(おそらく)持続的な脱血により血管内のボリュームが低下した
対処は
1) 生食またはヘパリンシリンジで洗浄する
2) 全く脱血できないのであれば、再穿刺
3) カテーテルの位置をずらず。(ひねる、引く等)
4) 補液をする 5) 脱血流量を下げる

小児科の医師から回路残血をもう少し減らせないかと言われるのですが返血量を増やすなどの工夫をすることはありますでしょうか?

・千葉大 小児ではおそらく赤血球を用いたカスタムプライミングをしており、返血をしないと思います。また、返血をした場合でも、それ以上の返血は患者への負荷が大きいと考えています。緊急時の手動返血のような方法で、多少は返血量を増やすことは可能かもしれませんが、おすすめはいたしません。

血漿の同時採取

■ 血漿採取は目から鱗でした。どのタイミングで、どのくらいの量を採取するのでしょうか? その際のトラブル等経験ありますか

・東邦大設定で血漿の採取量を入力すると自動で採取されます。採取量は、100mLで設定していますが、細胞採取量が多い時は足りなくなるため150~200mLで適宜変更しています。血漿採取についてトラブルはありません。

■ 採取血漿を使用する際、保存の際の注意点はありますか?

・東邦大特にありません。ALBと同じようにCP-1に添加しています。

その他

■ アフェレーシス室(輸血部)側で、患者状態など、採取の受け入れに基準を設けていますか。それとも診療科側の判断のみで受け入れていますか。

・千葉大アフェレーシスの適応(移植適応含む)は、細胞採取部門で判断しております。

■ 細胞採取液量が多いと凍結保存バッグ数が多くなり、保管に困ります。液量を少なくする工夫などしていますか?

・東邦大以前は、採取された細胞を遠心して濃縮していましたが、現在は濃縮していません。
・千葉大液量は遠心で調整していますが、細胞数(CD34が少なくてもWBCが多い時など)が多い時には投与時の粘調度を考慮し、バッグを分割しています。
逆に、CD34が十分に取れ、且つ液量が少ない時には保存がしづらいため、血漿を採取し液量を増やして保存をしています。